『鴻風楽舎』〜「尺八広場がいや」から

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zoom RSS 四つの民(よつのたみ」/思い・想いの尺八曲

<<   作成日時 : 2017/03/02 17:42   >>

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四つの民(よつのたみ」は1822年に没した松浦検校が三絃で作曲。
 八重崎検校が箏を手付けしました。
 四季の眺め・宇治巡り・深夜の月と共に「松浦の四つ物」として数えあげられる曲です。
 作詞は京都の赤尾某とあります。京風手事物の有力な曲の一つでありましょう。

 昭和15年、丸の内明治生命ホールでの演奏会では、江雲会宗家・井上重美師の急遽な事情により、二代宗家となられた井上重志師がこの曲を代奏されたそうです。
 その年18才。「堂々たる態度と、寸分の隙もない演奏」であったと、私の手元の本には記されています。
 
 この曲を演奏する際は、その宗家から免状と竹名をいただいた者として、到底叶わぬまでも、叱責されることのない演奏をしたいと願っています。

 「四つの民」とは士農工商の人々を指します。今日の言葉で言えば、この四つの業務に携わる人たちが平和な時代の中で、それぞれが楽しみながら、仕事に励んでいる様子をうたったものです。
 
 歌詞は「限りなく、静かなる世や吹く風も、勿来の関の山桜、鎧の袖に散りかかり、花摺衣(はなずりごろも)も陸奥(みちのく)に」とはじまり、弓を袋にしまい込んで、鍬(くわ)や案山子(かかし)を友にして、野良仕事にいそしむ姿をうたい、大工は雨露をしのぐ家の軒端も建ててくれる。
 夜の寒さもいとわずに絹を染めて、貧富の区別なく愛情のこもった商品を売ってくれる。・・・と続きます。
 そして最後は「姿言葉はいやしくて、心ばかりは皆やさしかれ」と結ばれます。
 今で言えば、《格差の無い社会》のことでしょうか。
 余計なことですが、勿来の関は福島県ですので、それと合わせて、こんなところにも私のお気に入り曲である理由があります。

 なお、冒頭の「吹く風も勿来の関の山桜」は千載集『吹く風を 勿来の関と 思へども 道もせにちる 山桜かな』(源義家)によります。

 尺八は一尺九寸管で、途中で持ち変えることなく最後まで通します。

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