『鴻風楽舎』〜「尺八広場がいや」から

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zoom RSS 冬の夜/思い・想いの尺八曲

<<   作成日時 : 2016/06/02 17:22   >>

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冬の夜は宮田耕八朗作曲による尺八独奏曲です。
 作曲された月日もわかります。1995年1月23日です。
 
 以下、譜本の解説では「1995年1月17日未明に阪神地区をおそった地震は今まで誰も経験したことのない強烈なものでした。
 二次災害も含めて、当初の報道からは予想もできなかった大きな被害へとふくらみました。
 1週間たった23日には亡くなられた方が5000人を超えたことが伝えられました。
 亡くなられた方々は、発見されるまで、どのように生きてどのように息たえたのでしょうか。
 そして家を失った人々は、この寒い夜をどうすごしておられるのかと思いめぐらして、その夜のうちにこの曲を作りました。」と記されています。

 当時、私は1月下旬に福島空港から伊丹空港にフライトしました。
 上空から見ると、あちこちの屋根にブルーシートが架けられていて、空港にも破損箇所がありました。
 その時は被害の大きさを想像するしかなく、乗り継ぎ便に乗り込みました。

 そして2011年の東日本大震災と福島原発事故の発生です。程度の差こそあれ、私たちはその渦中に巻き込まれました。
 3年目の14年には私の家の除染や改築がありました。5年目のいま、街路では側溝等の除染作業が盛んに行われています。

 今年は発生から5年目ですので、各種の新年会や総会では「5年目」というキーワードで挨拶が行われていました。
 いわく「5年目という区切りの年である」というふうにです。

 5年間の中で様々な決意、成長、悲しみ、転身、別れ、喜び、帰還・・・・ここに書き尽くせないことがあったことでしょう。
 尺八を演奏する私としては、仮設住宅にボランティア演奏に訪れたり、被災者支援の演奏会に出演したりしました。
 地震から出たガレキの中から拾われた古いお箏が私に託されて、復元したこともありました。

 そのような活動をする中で、状況が許せばこの「冬の夜」を取り上げて演奏しました。
 絶望・受悲・痛み・いたわり・共感・慰め・やさしみ・励まし・呼びかけ等々すべてを込めて、天空に届けとばかりに、祈るように音をたどっていく曲です。
 当初は被災者の前で演奏することを遠慮しましたが、5年目の年になり、ことしは仮設住宅でも演奏させてもらいました。
 老人ホームほかでも演奏します。
 
 演奏前には必ず作曲者の作曲した意図を伝えます。
 この曲の作曲は阪神大震災の発生に依拠していますが、私にとっては、都合良く「区切りである5年目の風化」をうながすような風潮があれば、それにはあらがいたい、という思いがあるからです。

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