『鴻風楽舎』〜「尺八広場がいや」から

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zoom RSS 夕べの雲/思い・想いの尺八曲

<<   作成日時 : 2015/04/20 20:00   >>

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 夕べの雲は光崎検校が1830年代に作曲しました。
亡くなった、深く愛し合った、ありし世の愛人を思い、夢にまで見ますが、はかなくも覚めてしまう悲しさを歌い、追憶と恋慕した情を唄っています。
 この曲の特徴として、八橋検校作曲になる箏組歌の第一曲「菜蕗(ふき)組」と三絃が合奏できるようにした三味線曲であり、歌詞も別にして、独立した曲として作曲されたという点です。

 従来、箏組歌は神聖化されて、純箏曲ですから、三絃とは合奏しないことにされていましたが、あえてその慣例を破って作曲されたと解説されています。

 現代でいう「改革」を旗印に、古い考え方に対して生まれた曲といわれます。こうしたことから、京都では演奏されず、九州において伝えられた曲です。

 演奏時間は約20分。
 「菜蕗(ふき)」という曲と同時進行で演奏されます。その時は、お箏が「菜蕗(ふき)」を、三絃が「夕べの雲」を演奏します。
 ときには、歌もそれぞれの歌詞を歌うときがあります。
 尺八譜には両方の曲が尺八の楽譜として併記されています。ですから楽譜が巾広く、横に広がってしまうので私の先生は二つに分割してしまって、それを前後に並べて演奏されていました。

 私は第2回地歌箏曲を楽しむ会(2008年)で演奏しました。
 終わって奥様が言うには「面白い曲ではない。尺八を吹く人には面白いのでしょうけれど。」とのこと。

 そうは言っても、それぞれ独立した曲を箏・三絃・尺八で一つにまとめていく演奏作業の一体感は、たいへん楽しく感じたものでした。

 【一唄】憂(う)しと見るも月の影、嬉しと見るも月の影、うす雲のたなびきて、心のいろぞほのめく
 【二唄】ゆかり嬉しき面影、ひきとめし袖の香忘られぬ、情けにあわれを知るもことわり
 【三唄】 あうごとにしぐれて深く染むる、紅葉(もみじば)吹き散らす、山風心なきもうらめし
 【四唄】よもすがら、つくづくとありしよのこと思い寝の、夢に見ゆる面影
 【五唄】如何にして我がねやへ来ることのうれしさ、はかなくも夢さめて、かすかに残るともしび
 【六唄】夢に見しふしども、さめて寝(い)たるふしども変わらぬそ悲しき、さめて姿のなければ
 【七唄】まぼろしの姿も夢路ならではい かで見ん、絶えてかわさぬ言葉もあづさにかけてかはさむ

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