『鴻風楽舎』〜「尺八広場がいや」から

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zoom RSS 夏の曲/思い・想いの尺八曲

<<   作成日時 : 2015/02/04 20:00   >>

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 春・夏・秋・冬をテーマにして、古今和歌集から歌をとって、作曲されたそれぞれの曲と、千鳥の曲を加えた計5曲は「古今組」と呼ばれています。
 いずれも、吉沢検校(けんぎょう)により幕末の頃、作曲されました。
 
 当時主流であった、三味線が主で、お箏が従である合奏曲に対して、お箏が主役になるように意図して、歌を
主体とした箏曲として作曲されています。
 作曲者が亡くなった後、京都の松坂春栄が手事(歌がない、器楽的な部分)を増補して、今ではこれが一般的に演奏される形になっています。

 この曲を私は、第5回地歌箏曲を楽しむ会(2012年)に郡山市公会堂で演奏しました。
 尺八譜は五世荒木古童補作になるものです。

 水の流れを表しているという前弾き(前奏)は、古今組の中でも、一番長い部分です。
 「流れ」と行っても、わずかにかつ静かにではなくて、少しずつほとばしるように集まってきた水の流れであって、ときにはなにかが飛び跳ねているようにも思えます。
 夏の開放的な幕開けが味わえるところでしょうか。

 歌がない手事は初段と二段に分かれています。私が好きなのは二段から後歌の部分です。
 初段から二段に入るときにやや緩むので、それは水の淵の様を思い起こします。

 二段では、ゆったりした流れをイメージさせながら、船着き場や朽ちた木杭をくぐりながら、悠然と流れる様子が浮かばれます。
 それは途切れることなく、大きな流れとなって、後歌に続いていくのです。

 後歌の歌詞には大河の流れはありません。しかし私にとっては、京都・大阪に流れる淀川の情景です。
 
 横たわる大河の流れに広がる空は、夏と秋の空を行き来しながら、秋の色を深めていきます。
 きっと、赤とんぼが飛んでいて、朽ちた木杭に停まっているかも知れません。
 そして、夕暮れとき、涼しさをまとった風が対岸から渡ってきて、曲は終わります。

 私にとって、何度も演奏してみたい曲の一つです。
 以下は上記演奏会のプログラム解説です。

   古今和歌集』夏歌の4首を歌詞としています。
   1848〜60年頃の作曲。
   原曲は歌を主体にした箏曲でしたが、明治期に手事が補作され、一般化しています。
   前弾きは水の流れをあらわしているといわれます。
       
      
       いそのかみふるき都の時鳥 声ばかりこそ昔なりけり
         夏山に恋しき人やいりにけむ 声ふりたてて鳴く時鳥
           はちす葉の濁りにしまぬ心もて 何かは露を玉とあざむく
             夏と秋と往き交ふ空の通ひ路は かたへ涼しき風や吹くらむ

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