『鴻風楽舎』〜「尺八広場がいや」から

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zoom RSS  三津山/思い・想いの尺八曲

<<   作成日時 : 2014/12/27 06:00   >>

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 箏曲(そうきょく)生田流(いくたりゅう)ではもっとも長い時間がかかる大曲です。
 2013年の第6回地歌箏曲を楽しむ会(郡山市公会堂にて)で演奏しました。
 
 開演前、「約30分かかります。」と紹介すると、軽く「エ−」という声がお客様から起こりました。

 そこで「ベートーベンの交響曲第9番は1824年に初演された。この曲は同時代か数年後の作曲です。だから、古典曲とはいえ、皆さんが好む曲と同じ世代です。
 また、歓喜の歌がある第4楽章は、カラヤン指揮で28分です。それと同じ時間なので、皆さまは長い曲には慣れておられると思います。」とお話ししました。
 
 するとどうでしょう。演奏中に誰も退席される方はおられませんでした。
 あきらめて居眠りをしていた方はおられたかもしれませんが。

 それにしても、箏・三絃・尺八の3人による30分の曲に、聞き入っていただいたのですから、感謝感謝でした。
 
 「大和」は私の2代前の出身地です。
 親しみがあるとともに、謡曲「三山(みつやま)」と共通するこの曲は、三角関係が生んだ女性の熾烈な争いという悲劇が歌われますが、「すべては春の夢」という詩情豊かな結びに運ばれるので、風情があり、ぜひ演奏してみたい曲でした。
 
 三絃や箏の方には、転調が数回あって、丁々発止のやりとりがあり、歌がむずかしいという曲です。
 尺八も1尺9寸管のみで演奏するには、指の操作(運指)が難しくなります。

 そんな大曲ですが、じっと耳を貸していただいたお客様、助けてくださった三絃・箏の先生方にはありがたく、演奏の喜びが感激になって終わった曲でした。

 その時のプログラムの解説を、下記に掲載します。

     三津山(大和三山恋物語)       作曲  光崎検校  箏手付 八重崎検校 

 江戸末期の作曲で、三絃の大曲です。手事が二回あり、場面の変化に合わせて転調が多いのが特色で、歌がむずかしくあまり演奏されない曲です。
 
 三津山とは香具山、耳成(みみなし)山、畝傍(うねび)山という大和三山のことで、この三つの山が昔、争ったことがあるという伝説が元ネタです。香具山に住む「柏手の公成(きんなり)」という男性を、耳成の里の「桂子」と畝傍の里の「桜子」という遊女が争うという物語です。
 前半は「柏手の公成」が「桜子」に心を移したため、「桂子」の恨みと狂乱がうたわれ、後半は「桂子」の恨みをうけた「桜子」の狂乱となり、最後は、すべては春の夢であったという余情のうちに終わります。
 尺八は1尺9寸から途中で同7寸に持ち換えるのが通常ですが、本日は1尺9寸のままで演奏いたします。

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